GNU Radio
GNU RadioはSDRのためのオープンでフリーな開発環境です。GNU Radioに対応したSDR機器(RTL-SDR、HackRF One、USRPなど)とLinuxやWindows上に構築したGNU Radioで、無線通信の処理を自由に構築して試すことができます。
SDRはSoftware Defined Radioの略で、通信処理をソフトウェアで実現することによって、その機能や仕様を自由に変更できるようにする仕組みのことをいいます。受信信号をデジタル化してPC上にウォーターフォールとして表示する仕組みと思っているアマチュア無線家の方もいらっしゃるようですが、もっと広い概念です。
GNU Radioに対応した機器。左からRTL-SDR、HackRF One、Red Pitaya
HackRF OneやRed Pitayaは送受信可能なデバイスで、お値段は数万円します。RTL-SDRは受信オンリーとなりますが、千円程度で入手できます。GNU Radio自体はフリーツールです。もともとはLinux上でのツールですが、 最近はWindows版もありますので、RTL-SDRを入手すれば、まずはGNU Radioを試すことができます。
GNU RadioにはGNU Radio Companionというツールが備わっており、ここでは、無線通信処理に必要な各種機能(変復調、発振器、ミキサーなど)をブロック図のように画面上に並べ結線していきます。
GNU Radio for Windows上で作成したRTL-SDR用FM放送受信フロー
上記のデバイスをPCに接続し、ブロック図の設定に間違いなければ、「実行」することによって復調された音声や画像を確認できます。中高年の方には「電子ブロック」をはるかに高機能にしたものと言えばおわかりいただけるかと・・・。
上記フローの実行結果。復調された音声とともにスペクトルも確認できます。上はLinux環境での動作結果ですが、Windowsでも同様のことが行えます。
今後、順次加筆していきます。